
アークのデザイナーが考える理想的なモビリティの未来ーー
それは誰もがモビリティを快適に利用できること。
そのために現在のモビリティに不満を感じている人に耳を傾け、その問題を解決すべきだと考えた。

現在、多種多様なモビリティが世の中には存在している。
一方で私たちの中では「運転すること自体に少しハードルを感じてしまう」という意見があった。
車や自転車などの運転にどこか苦手意識を感じてしまい、
いつの間にかモビリティからも距離をとるようになってしまったという。


運転への苦手意識を持つユーザーに対してリサーチを行った結果、特に子育て世代にその傾向が見られた。
小さい子を持つ親は日常的な移動においても子供を連れて行動する場面が多い。
徒歩移動は身体的負担に加え、荷物の持ち運びや子供の安全にも配慮しなければならず、
子育て世代の移動はモビリティへの依存度が高くなりやすい。

子供の送り迎えや日々の買い出し、公園へ遊びに行く時など、生活の中で複数の目的地へ
柔軟に移動することを求められる。こうした移動は公共交通機関では代替しづらい場面も多く、
運転に苦手意識を抱えている場合でも自身で運転することは避けにくい。
これらの理由から子育て世代は運転への苦手意識が課題として表面化し、
モビリティを快適に利用できていないのではないだろうか。



子育て世代の移動手段として主に使われているのは自転車である。
自動車に比べて運転へのハードルが低く、子供を乗せて行きたいところへ行くことができる。
しかしながら子供を乗せての移動は常に「子供を守る責任」を伴っている。
自転車の転倒時の子供の怪我リスクは非常に高く、チャイルドシートの高さからもそのリスクは明白だ。
運転中、ユーザーは転倒を避けるため周囲を警戒し、子供にも注意を払わなければならない。
加えて運転に苦手意識があれば、強い「緊張状態」に置かれていることだろう。
「緊張感」は「心の余裕」を持つことを難しくさせ、
子供と同じ景色を見たり会話したりできる時間であっても運転に意識を向けさせてしまう。

子育て世代の苦手意識はこの緊張感が鍵になっているのではないかと仮説立て、
その原因は「不安定さ」「慣れない運転姿勢」「周囲への不安」にあると考察した。

不安定さ、慣れない運転姿勢、周囲への不安が緊張感を生み出し心の余裕が失われている。
そう考えた私たちはどのようにして解決できるか議論を重ねた。
その中でひとつの答えとなったのは「徒歩と自転車と車のあいだ」のモビリティだ。
まるで地続きの空間かのように乗りこみ、そのまま身構えずに運転をすることができる。
歩道でも安心して使用できるサイズに、停める際も邪魔にならない取り回しの良さ。
安定感のある乗り心地で子供と一緒に安心して乗ることができる。
子育て世代のユーザーはそんなモビリティがほしい、かもしれない。



安心感のある移動体験が心の余裕を生み出し、移動のありかたを変えていく。
子供と景色を眺めながら自然と会話が生まれるーー
そんなカチを創出する新しいモビリティのカタチが見えてきた。


アークのデザイナーが考えるちょっと未来のモビリティ。
それは運転への苦手意識に目を向けた優しいモビリティだった。
私たちはこれからも人の気持ちや行動に目を向けながら、「カタチ」の先にある「カチ」を描いていく。
