試作

最終製品と遜色のない試作品

デザインと設計が完了したら、次は試作のプロセスです。ワーキングモデルやデザインモデルと呼ばれる試作品をつくります。ワーキングモデルは、展示用のショーモデルとは異なり、駆動部品を実装した「動く」試作品。量産に入る前に、動きの性能や強度などを検証するためのものです。デザインモデルは、手で触れたときの質感や重さなど、デザイナーが思い描いていたものと一致しているか確かめるためのものです。
ひと口に試作品といっても加工方法は多種多様です。アークでは、あらゆる知識と技術、そして豊富な設備を総動員して、最終製品と遜色のない見栄えと質感をもった「作品」をつくりあげます。接着・溶着、曲げ、研磨など、一般的な加工はアークがもっとも得意とするところで、長年の経験をもつ技術者が、ハンドワークでその「職人技」を存分に発揮しています。

社内のリソースをフル活用

様々な試作品に対応できる設備環境があるのもアークの強みのひとつです。自動車のような大型モデルが製造できる大型5軸MC(マシニングセンタ)加工機や、レンズなどの精密部品に対応した精密5軸MC加工機、ロボドリル、光造型機(3Dプリンタ)、2メートルクラスの部材を蒸着できる大型真空蒸着機など、多彩な設備を社内にとりそろえています。
アークはまた、キャスティング(注型)技術の高さでも各方面から評価をいただいています。これは簡易的なシリコン型を使って樹脂成形する加工方法で、ごく少量の試作品をつくるのに適しています。
その他にも、塗装、印刷、縫製、電装など、あらゆる加工技術のノウハウを社内に持ち合わせており、お客さまの細かな要求にお応えできる体制をとっています。例えば車のシートなら、フレームからクッション、型取り、縫製まで、様々な工法を駆使して素材の特性に応じた加工をすべてアークだけで作りあげることができます。
さらに、取り扱っている素材も多彩です。あるメーカー様では、アルミダイキャストのカーキャリアの開発を企画しデザインまで行ったところ、それをカタチにできる会社が見つかりませんでした。十数社に断られ、一時はパイプフレームへの変更を検討したとのことでしたが、アークは柔軟な発想で、実現可能な樹脂素材と工法を新たにご提案し、優れたデザイン性はそのままに商品化を実現することに貢献できました。

実績紹介

上品なデザインと、充実の機能を持たせた設計。試作で実現した重厚感のある質感があらゆる空間にマッチします。
株式会社日立製作所 研究開発グループ様の空気清浄機にUV機能を搭載。見落としがちな机や椅子の裏側もUVを照射しながら除菌します。小回りの利く小型サイズで狭い場所も無理なく走行。
リニューアルデザインから設計・試作・量産化までトータルサポート:パワーアシストスーツ「J-PAS LUMBUS」
ジェイテクト様が電動パワーステアリングで培った制御技術を活かし、人の動きと調和可能な機構を加えて、様々な作業への適応が可能になりました。軽量化やユニークな機構が生み出す課題にお客様とアイデアを共有しながら試行錯誤を繰り返し、実現に至りました。
量産を見据えたスマートロボティクスの外装カバーデザイン:多関節ロボット「SmartWing」のショー向けモデルをデザイン・制作。
株式会社FUJI様は垂直多関節ロボットの開発にあたり、スマートなフォルムで他社とは一線を画したデザインをご希望。アークは有機的なカーブでエッジを効かせたラインを特徴とし、フルカバーせず構造体もデザインの一部にと提案しました。
リニューアル設計と試作:リバースエンジニアリングを用いて、現行機を分析・データ化。現行機の検査機能は確保しつつ課題解決と開発コストを実現可能なバランスでご提案。
西松建設株式会社様のコロコロチェッカー® は斜張橋のケーブルを走行しながらケーブルの外周360°を撮影記録し外観検査するロボットです。全国で活躍する現行機の機能は確保しつつ、軽量化などの課題に取り組みました。
トレーニングロボットのデザイン・設計・試作のお手伝い:歩行能力の改善と健康寿命を延ばすことを目的とした自立推進トレーニングロボット「J-Walker テクテック」
自動車部品の大手メーカーである株式会社ジェイテクト様だからこそできる、安全性や強度が重要な介護製品。現物、現実に基づいた設計をお客様から学ばせて頂き、材料の評価試験からスタート評価・解析を重ねました。
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